心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをしていますが、その動きは電気信号で制御されています。
電気というからには発電所があり、中継所があって細胞ひとつひとつに伝わっていくというのは私たちの生活に欠かせない電気と一緒です。
心臓の場合はこの一連の回路を刺激伝導系と言って、この刺激伝導系のトラブルを不整脈と呼んでいます。
刺激伝導系のどこでトラブルがあるかによって不整脈の名前が変わり、脈拍がゆっくりになったり(徐脈)、速くなったり(頻脈)、飛んだり不規則になったりします。
不整脈には健康な人にも見られる問題のない不整脈から、生命に関わる重大な不整脈までいろいろな種類があります。
不整脈の原因はさまざまです
不整脈は刺激伝導系に余計な回路が出来てしまうことや、異常電気信号の発生によって発生します。
- 先天性
- 年齢
- ストレス、疲労、睡眠不足
- 飲んでいる薬の一部
などが誘因となって発生することになります。
自分で脈を触ってみよう
手首の親指側に橈骨動脈という脈を触れる場所があります。
利き手の人差し指・中指・薬指の3本で反対の手首を触って自分の脈のリズムを感じてみましょう。
正常であれば1分間にだいたい60~80回ぐらいでリズムが整っています。
これを踏まえると概ね以下の3つに分けられます。
徐脈性不整脈(脈拍がゆっくりの不整脈)
- ふらっとする
- めまいがする
- 急に意識がなくなる
頻脈性不整脈(脈拍が速い不整脈)
- 胸がどきどきする
- 胸が痛い
- 少し身体を動かしただけで息切れする
絶対性不整脈(脈拍のリズムが定まらない不整脈)
- 胸に不快感がある
- ドキッと強く鼓動を感じる
高齢になると、特に心房細動に注意です
心房細動は加齢とともに多くなります。
近年の高齢化社会に伴い、その人数は増加しています。
不整脈はどうやって診断するの?
不整脈の診断は、心電図検査を中心に行われます。
企業健康診断や、お住まいの自治体による健康診査を受けている方であれば、その範囲で心電図検査も行われている場合が多くそこで見つかる事も多いです。
これらの健康診断が、不整脈を自覚する大きなきっかけになりますので、検査を受けて終わりではなく、診断結果も見るよう心がけてください。
しかし不整脈が短時間しか出現しない場合、一般の心電図では不整脈を記録することができないことも多く、その場合ホルター心電図(携帯型24時間心電図)が使われます。
検査で異常が出たら、まずは受診しましょう。それが治療への第一歩です。
不整脈は自覚症状が出にくい場合もあり、検査で異常がわかった場合でも放っておかれることがあります。
日常生活の中で受診する時間が取れなかったり、中には重い病気と診断されることが怖いから受診をされないという方もいるかもしれません。
しかし、それまで自覚症状がなかったのに、いきなり一刻を争う症状が出る場合もあります。
自分の症状を理解して、うまく付き合う方法を見つけることで、予め対策を取っていれば重大な事態を防げる場合も多く、日常生活への影響も最小限に抑えることができます。
そのお手伝いをするのが私の役目と考えております。