血圧が高い状態が長く続く症状を高血圧症といいます。
高血圧症は自覚症状がない場合がほとんどですが、長期間血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、各組織でトラブルを引き起こします。
中でもダメージを受けやすいのが脳と心臓と腎臓です。
また血管に常に負担がかかるため、血管が硬くなり、動脈硬化も進行しやすくなります。
高血圧の治療は、まず第一に生活習慣を改善することです。
その基本は、適度な運動、減塩、減量、節酒、禁煙です。
また、最近は高い血圧を下げるのに働く食品成分がいろいろ発見されて、有効な臨床データもでており、国もその有用性を認めた食品(特定保健用食品)が販売されています。
こういった有効な食品を利用することも、生活習慣の改善のひとつだといえるでしょう。
高血圧の症状
高血圧はサイレントキラーとも呼ばれ、症状がほとんど表れません。
高血圧と診断される直前から肩こりがひどくなった、頭痛がするようになったという方もいますが、高血圧の症状ではないので、やはり症状から診断をすることはできません。
健康診断や、最近では自宅で血圧を測る方も増えているので、その数値を診断の基準としています。
ただ、実際健診で血圧の値を指摘されてもどこか痛い場所があったり、生活に支障がでたりしないため、診察を受けないまま放っておいてしまう方が多いのも実際です。
高血圧の原因
遺伝(両親とも高血圧の場合は、子供が高血圧になる確率は約50%、片親が高血圧の場合には30%前後というデータもあります)やホルモンの過剰分泌によるいわゆる二次性高血圧のこともあります。
ですが、多くは肥満、糖尿病予備群、ストレス、喫煙、飲酒、睡眠時無呼吸症候群などが高血圧の危険因子で、実際高血圧の方はこの中のいくつかに該当していることが多い傾向にあります。
心臓や血管を健康に保つための治療
高血圧治療の目的は、血圧を下げることそのものではなく、将来の心臓や血管の病気にならないように、またその結果としての心疾患や脳卒中を防ぐことにあります。
よく言われるのが、血圧の薬は始めたらずっと飲み続けなければいけないのでしょうか?ということです。
実際に飲み続けている方もいると思いますが、生活習慣の改善により薬を減らした、あるいは薬を止められたという方もいらっしゃいます。
具体的な治療は、血圧の高さのレベル、また高血圧以外の心臓や血管の病のリスクがどのくらいあるかによって分けられ、治療方法は変わってきます。
治療については患者さまの全身の状態をきちんと診断し、説明を行わせていただいた後、治療をスタートさせていきます。
わからないことや薬についての不安などありましたら、お気軽にお尋ねください。
またご自分で血圧値をつけていらっしゃる方は来院時にお持ちください。